ゴキブリの天敵

ゴキブリにとって最大敵は、人間ではないのだろうか。いや、最大の敵は最良の友、とでも言おうか。ゴキブリと人間はそんな言葉が当てはまるような気がする。自分たちをこれほどまで忌み嫌う存在は他にいないだろうし、ここまで自分たちを殺すこと(殺虫剤の開発、新聞を丸めて執拗に追いかけてくるエネルギー)に執念を燃やす存在は人間だけであろう。しかし、ここまで世界中に反映できたのは人間がいたからなのだ。とするならば、人間を除いた存在でゴキブリの天敵とはいったいなんであろうか。

野生のゴキブリが大人になるまで生き延びるためには、長々とリストアップされた自然界の天敵の数々-魚類、鳥類、爬虫類、両生類、哺乳類、他の節足動物や、時には自分の同種さえも-から逃れなければならない。

哺乳類による捕食

1829年に出版された『自然史雑誌』に、野生において哺乳類の食用として捕獲されたゴキブリの、写実的な絵が載せられている。この絵には、P・ニール氏による、船でブラジルからスコットランドまでマーモセット・モンキーを輸送するときの苦労話が添えられている。

船に積み込んだ果物が底をつくと、マーモセットが口にできるものは何もなくなるはずだった。しかし実際に果物が底をつくと、非常に納得のいく、あーもセットが何よりもおいしそうに食べるという代用物が見つかった。我々は偶然、マーモセットが船のデッキを走っていった大きなゴキブリを捕まえて、むさぼり食っているのに気づいたのだ。この時から航海が終わりに近づくまでの4,5週間、マーモセットはほとんどゴキブリのみを餌として与えられ、船内のゴキブリ駆除にたいへん効果的に貢献することになった。

敵となる節足動物

野生のゴキブリにとって何よりも恐ろしい敵は、自分たちと同じくらいの大きさか、あるいはもっと小さなものである。その中でも最悪なのが軍隊アリである。軍隊アリは一塊になって行軍し、途中にある獲物はその大きさにかかわらず、すべて食い尽くすのである。また夜行性捕食動物のサソリは、砂漠に生息するある種のゴキブリの悩みの種である。この毒腺を持つ小さな節足動物は、夕暮れ頃から活動しはじめ、カリフォルニア砂漠をうろつき、乾燥したサンジャシント山の麓で、好物のゴキブリを探す。

最悪なのは蜂

ある種の蜂がゴキブリを捕食する流れは眼を見張るものがある。中央、東アフリカに生息するジュエル・ワスプは、ワモンゴキブリやコワモンゴキブリを待ち伏せして側面から襲い、ゴキブリの前足に素早く一刺しするのである。このため、ゴキブリは逃げようとするあまりひっくり返って仰向けになる。針に仕込まれた強力な毒でゴキブリを部分的に麻痺させ、、触覚を切断し、傷口からにじみ出る分泌液を吸い上げる。そして隠れ家にゴキブリを運び、体内に卵を産み付ける。孵化した蜂の幼虫は、ゴキブリを最後の一滴までおいしく平らげる。

オランダのアムステルダム動物園では、小型哺乳類の棟に放し飼いにすることで化学薬品を使わずにワモンゴキブリの猛襲を制圧するのにも使われている。その他の多くの種の蜂は、ゴキブリの卵鞘が幼虫を育てるのに最適の器になることを知っている。

コラム:神戸市のゴキブリ第発生の原因は

室内の敵

蜘蛛は全て食中動物であるが、ある特定の昆虫しか食べない蜘蛛として特化しているものはほとんどいない。蜘蛛は、我々の家の中で、湿気を好む害虫-ゴキブリ、トコジラミ、ハサミムシ、イエバエ、そして時と場合によっては他の種の蜘蛛といった生物を捕食する。

E・B・ホワイトによる児童書の名作『シャーロットの蜘蛛の巣』に登場する八本脚のヒロインのセリフ
『私が虫を捕らえて食べなかったら、虫がどんどん増えていっぱいになって、何もかも食べづくしちゃって地球が壊れちゃうわ』
もあながち間違いではないかもしれない。

ムカデの大顎

絶食しても数週間は平気で生き延びるゴキブリもムカデの顎(正確には前脚の変化したもの)の前ではひとたまりもない。どちらもグロテスクな容姿をしており、人間としては優劣をつける考えも及ばない。

鼠(ねずみ)による捕食

ゴキブリと同様に嫌われているものにイエネズミ・ドブネズミがいる。彼らは下水道・マンホールの下で仲良く暮らしているのだろうか。そうでもないらしい。縄張りに侵入したゴキブリを捕獲・捕食して食べているようだ。

猫による捕食

猫は餌とスポーツの両方としてゴキブリ・鼠(ねずみ)を捕まえる。猫は餌で遊びたがる。捕まえたり、逃したり、叩いたりして獲物が弱ったところで最後の一撃を与える。

窮鼠猫を噛む!?ゴキブリの反撃!

ゴキブリもただ食べられるわけではないようだ。フロリダの中部・南部と、西インド諸島に限定された種のユーリコティスゴキブリは驚いたとき、防御物質として脂っこくてひどい臭いのするものを噴霧する。腹部の腺から発せられるこの霧は人間の肌にちょっとした炎症を起こさせる複雑な化合物を含んでいる。また、ゴキブリは驚くほど足が速い。(我々が彼らにとどめをさそうとして一瞬目を放した隙に姿を消していることはよくある)さらには、ただ速いだけではない。自らの命の危険を察知したときの反応だ。ワモンゴキブリの研究者は、この動物が風の動きや触覚への刺激に対して、その力の加わった方向から向きを変えたりちょっと逃げたりして捕食者かもしれないものから逃れるという反応をすることを明らかにした。

コラム:ちょっと君、スープの中でゴキブリが泳いでるんだけど

スポンサードリンク

ページのトップへ戻る