ゴキブリの食事

ゴキブリは何を食べるのか。『木の皮、生のソテツの髄、紙、ウールの衣服、砂糖、チーズ、パン、靴墨、脂、レモン、インク、肉、魚、革』それだけじゃない。コウモリの糞、腐った木の切り株、自分たち自身の脱皮した皮、共食いだってする。まるでエイリアンだ。

では、ゴキブリは嫌いなものはあるのだろうか。胡瓜(きゅうり)はゴキブリと相性が悪いらしい。また有名なのはひまし油だ。また、トマトの実と葉、その他の2,3の植物に含まれているある毒素が、ゴキブリを食物に寄せ付けないようだ。アメリカとヨーロッパでは、kの6脚のつまみ食いする虫を避けるために、料理人は今でも仕事場を胡瓜(きゅうり)の皮のバリケードで守る。

ジャンクフードが大好き

ほとんどのゴキブリは、脂肪や蛋白質(タンパク質)以上に澱粉質(でんぷん質)や糖が好きである。[1945年に昆虫学者のフィル・ラウによって確認されたゴキブリの味覚の一般論]ある実験によると、何もつけていないパン、ベーコンをつけたパン、ゆで卵、セロリ、シナモンシュガーのついたパン、それぞれを罠に仕掛けたところ、シナモンシュガーのついたパンを仕掛けた罠にもっとも多くのゴキブリがかかった。

ゴキブリの時代(先述)には朽ちた植物などの食料が豊富にあったので食料不足で死ぬゴキブリは少ししかいなかった。捕食性の昆虫は影さえなく、蜘蛛やムカデや沿岸に住む数種の魚から逃れることが出来さえすれば、どんなゴキブリでも生き延びることができた。そして、地球上の一つに固まっていた地形が何千万年をかけてゆっくりと分離し、大陸移動と呼ばれる現象で7つの大陸が形成され、ゴキブリの先祖の各系統は、地理的に分離された。

本さえも食べる

本屋や司書は、ゴキブリが植物繊維と旧式の本の製本で使われている動物性接着剤を好んで食べることを知っている。1888年、アメリカ財務省の長官代理ヒュー・S・トンプソンは、『長官のファイルは昆虫や害虫の深刻な被害にあっている』と書いている。『これらのファイルが参照されるまでしっかり保存することは、財務省の職員にとっては非常に重大だ』と、財務省の局長E・B・ユーマンズは書いている。

美術品の味

ゴキブリは文学と同様に芸術も楽しんでいるようだ。水彩絵の具の食い荒らしたことさえあるようだ。(しかも、朱色、濃青色など!?)ゴキブリは芸術品や素晴らしい書物を奪い、今度は建築物に目を向けるだろう。壁紙の糊は昔から好物だし、紙からできている断熱材の繊維や、古い家の壁に使われている木製の下地材に塗られた漆喰も好物のようだ。

まつ毛も食べる!?

まつ毛を食べられるのはたいてい小さな子どもたちであるようだ。彼らは眠りが深く、ゴキブリの仕事を邪魔しないからだ。昆虫学者のフィル・ラフはある夜まで、『信じられない』と思っていたようだ。

『私は顔をくすぐられた気がして目を覚ました。目を開けるとゴキブリの伸びた口部が私の鼻の穴から湿った栄養分を吸収している間、ゴキブリの2本の触覚が感触を求めてそっと動いていた』
-昆虫学者フィル・ラウ-

ラウ自らが至近距離から観察した結果、まつ毛を食べると思われていた容疑者は、実は涙管からでるミネラルと水分が目当てで、並んで生えているまつ毛に引き寄せられているのではないことが明らかになった。

コラム:私は顔をくすぐられた気がして目を覚ました。目を開けるとゴキブリの伸びた口部が私の鼻の穴から湿った栄養分を吸収している間、ゴキブリの2本の触覚が感触を求めてそっと動いていた

昆虫に対する食欲

ゴキブリは素晴らしいハンターでもある。自分たちよりも小さい昆虫を追いかけてしとめる。最近はゴキブリは蛾の卵や蚊、ブユ、スズメバチの幼虫、10センチほどのムカデなどを食べることも確認されているようだ。

ゴキブリの共食い

共食いはゴキブリでは普通に見られる行動で、特に実験室で飼われているゴキブリにはよくある。混みあった状態の大きなコロニーの中で飼育されるゴキブリの幼虫はストレスだらけで親よりも共食いが多くなるようだ。

共食いというと気分を害するものだが、ゴキブリは共食いすることで適応上有利になる。共食いによって、手に入る食料の量に合わせて個体数の密度を調整することができる。また、共食いは全個体数からわずかに生き残ったゴキブリに全ての食物を与え、後に個体数を元に戻すための機会を与えている。また、飼育室から弱くて病気を持ったゴキブリを取り除いて、種の活力を維持する助けになっているのかもしれない。

ゴキブリの絶食

ゴキブリに畏敬の念を起こさせるものに、そのなんでも食べる旺盛な食欲と相対する、何も食べずに何日間も生きる、という噂だ。しかし、実際に行われたある実験結果を確認し、私は絶句した。

ゴキブリがどれくらいものを食べずにいられるかを確かめるために、11種のゴキブリから代表を選び、2週間ほどドッグフードと水をタップリと与えた後、いくつかの食事制限を行った。その結果、実験されたほとんどすべての種類のゴキブリは、水だけで1ヵ月以上あるいはそれ以上生き延びることがわかり、この結果は『飢えたゴキブリの長寿』という詩的なタイトルがつけられ、1957年に発表された。

このかなり冷酷な実験データから、ゴキブリは長旅の厳しさに簡単に適応することができることがわかる。たとえば、誤って、木製の荷箱に閉じ込められて、食料がきびしく制限された状態(この場合は木枠を留めておく接着剤)でも、この生物は何週間も平気で過ごすことができ、世界中のほとんどどこへでも輸送される。

スポンサードリンク

ページのトップへ戻る