ゴキブリと人間の関係

もう一度考える。ゴキブリってなんだ?

ゴキブリは何の役に立つのか。ゴキブリを忌み嫌う人間側からこう考えられることも多い。しかし、我々人類よりも先に(3億4000万年前)地球上に誕生したことを考えると不合理だ。彼らはこう考えているかもしれない。『ゴキブリにとって人間とはなんなのだ』

熱帯の環境では、ゴキブリはいくつかの枢要な役割を果たしている。林床から死んだ草木や動物質を取り除いて再利用し、ミミズやカタツムリなどの数々の無脊椎動物を代表するものと一緒に衛星技師として活躍してる。

また、ゴキブリは爬虫類や両生類、魚類、鳥類、その他の昆虫類、猿やコウモリといった哺乳類の重要な食料源でもある。また、熱帯のゴキブリには草木の受粉を助けるものがいることも確認されている。つまり、ゴキブリは自然の生態系の維持に重要な役割を果たしているのだ。

研究のためのゴキブリ

ゴキブリは昆虫の習性、解剖学的構造、生理の研究など、最も頻繁に利用されている実験動物である。また、薬理学、免疫学、分子生物学などより幅広い分野の研究では、標準となる実験動物としても役だっている。

動物の餌としてのゴキブリ

家畜の飼料源としてゴキブリが利用できるかどうか分析もされているようだ。フェアリー・ディキンソン大学の学生の一人、フランシス・マークはチャバネゴキブリを使った餌を作り、研究室のネズミに与え、悪影響を受けた様子もなく体重の増加を確認した。マークスは次のように述べている。

蛋白質含有量の増加は通常、コストの増加を意味することから、動物に与える食餌中の蛋白質レベルは、成長率と飼料コストによって決まる。ゴキブリは、実にさまざまなものを食べて生きることが可能で、食料転嫁効率が高いという機能があり、したがって、動物の餌の元として優れているようである。

ゴキブリの味

ゴキブリはどんな味がするのか。想像するだけでも気持ち悪くなりそうだ。(そもそもゴキブリは食べられるのか?)『小エビに似ている』と、英国の海洋学者S・メルビル=デビットソンは言う。1911年に出版された業界向け出版物『船上衛生におけるいくつかの新しい興味深い点』の中で、sこの珍味について書いている。

オーストラリアのアボリジニや、タイのホワヒンにいるラオ族など、いくつかの民族は、ゴキブリを採って生で食べることが知られている。

昆虫学者のはワード・E・エヴァンズは、著書『虫の惑星』の中で誤ってつけあわせとして出されたワモンゴキブリとおぼしきものを見つけた時の様子を書いている。テキサスの小さなカフェでビーフステーキのオニオン添えを頼んだ時のこと。エヴァンズはそんなもので簡単に食欲を失ったりはせず、その茶色の大きな虫を除いて平然と料理を平らげると、空になった皿の中央でその虫に生前のポーズを取らせ、席を立った。エヴァンズは『その皿を手にとったウェイターの表情は、私が負った健康上の危険を十分に埋め合わせるものだった』と告白している。

医学の中のゴキブリ

古代ギリシアでは、医師がゴキブリの内臓と薔薇の油を混ぜ、この嫌なにおいを放つどろどろとした液体を、病気に感染した患者の耳の穴に流しこむのはお定まりの作業だった。

古代中国の薬屋では、内臓疾患や整腸に効用があるとして、ゴキブリを乾燥させたものが処方されていた。

ニューオリンズの伝説的ジャズシンガー、ルイ・アームストロングが、病気になるといつもゴキブリの煮汁を飲まされたと回想している。ただ、アームストロングのしわがれ声はゴキブリ汁によって改善された結果なのか、それともゴキブリ汁が原因だったのか、そこのところはまだわかっていない。

コラム:ゴキブリは調教できるのか。

ゴキブリは臭い

ゴキブリの多くは特に大量に集まった時、胸のむかつくような独特の匂いを放つ。なかなか消えないこのにおいは、ゴキブリの糞や唾液、脂ぎった外皮のにおいが混ざり合ったものだ。これらはみな、芳香性の強い性フェロモンを含んでいることもある。

ゴキブリが媒介する病気

『医学ならびに獣医学におけるゴキブリの重要性』、『ゴキブリ-その生態と対策』の二つの論文によると、ゴキブリによって知らず知らずのうちに運ばれ、人間などの脊椎動物に伝染する可能性のある約40種の病原体を挙げている。その中には、癩病、腺ペスト、肺炎、食中毒、サルモネラ、腸チフスといった大物も名を連ねている。また、実験室での研究も、ゴキブリがさまざまなウイルスを獲得、維持、排出し、ポリオや感染性肝炎といった命にかかわる病気を伝達している容疑がかなり濃いことを明らかにしている。

ゴキブリが病気を伝達する方法はかなり単純で、病原体はゴキブリの外皮に付着し、ゴキブリが歩いたところや直接触れたものすべてに撒き散らされる。下水道の中である期間を過ごすゴキブリは、十中八九、この伝達形式に人知れず関与している。ドナルド・コクランはこう述べている

『ゴキブリの行動でもっともおぞましく、かつ危険もはらむ特徴は、消化された食べ物の一部をもどし、糞をところかまわず、時には餌を食べている間にも垂れ流す習性かもしれない』

アレルギーと喘息

ゴキブリが原因となるアレルギー・喘息はあるのだろうか。その可能性はあるかもしれない。アレルギー反応は、われわれの免疫系が環境において感知した危険物に対し、不適当な反応を示すときに起こる。ゴキブリアレルギーの場合、こうした危険物は微細な蛋白質片、すなわち、人家に住み着いたゴキブリの排泄物、脱皮後の抜け殻、部分的に消化された食べ物、フェロモンなどだ。こういった蛋白質性の産物の中には、きわめて長命なものもあり、そういうものは煮沸消毒や強力な化学薬品や紫外線に耐え、何十年にもわたってアレルギーを誘発する力を保つことができる。

ゴキブリグッズ

これまでに人間とゴキブリとの関係を綴ってきたが、それでも人間はなんでも楽しむ習性があるのかもしれない。そう、ゴキブリでさえも。

ゴキブリの歌(歌つき) Cockroach's song(With song)

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